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共有物分割請求訴訟を起こすときの流れや注意点、すぐに共有状態を解決するための方法を解説します

複数人で不動産を共有していると、建物の増改築や売却、賃貸などの場面で他の共有者にお伺いを立てなければなりません。

せっかく不動産を所有しているのに、一人で何も決められないというのはもどかしいですよね。

面倒な共有状態を解消したいと考えても、共有者の同意を得るのは簡単なことではありません。

さんざん時間をかけて協議したのに合意に至らず

「何とかこの状況を打開する方法はないのか」
「共有者だけで話しても埒が明かない」

などと頭を抱えている人も多いのではないでしょうか。

そのような時に頼りになる法的な手続きが、共有物分割請求訴訟です。

裁判所を通して、合理的に共有物を分割する方法として知られています。

この記事では共有物分割請求訴訟の流れについて詳しく解説していきます。

この記事のポイント!
  • 共有物分割請求訴訟は裁判所を通して共有状態を解消する手続き
  • 分割方法は現物分割・代償分割・換価分割(競売)の3種類
  • 手間をかけずに共有状態を解消したいなら共有持分の売却も有効

共有物分割請求訴訟とは裁判で共有状態の解消を求める手続き

共有不動産を相続したとき、話し合いで分割できればいいのですが、何回協議を重ねても合意に至らないことはありえます。

共有物分割請求訴訟はそのようなときに裁判所を通して共有状態の解消を実行する制度です。

不動産の共有状態を解消するために、裁判所の判決によって適切な分割方法を決めることを共有物分割請求訴訟といいます。

共有物分割請求は
「共有物の各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができる」
という民法256条1項で定められた権利です。

参照:民法256条1項(e-Govポータル)

共有物分割請求訴訟で決まる3つの分割方法

判決で下される分割方法は現物分割代償分割換価分割の3種類です。

次の項目からこの3つの分割方法について詳しく解説していきます。

現物分割

共有されている土地や建物を、共有割合に応じて物理的に分割する方法です。

現物分割

例えば1つの土地を2人で半々の割合で共有しているときに、土地を等分に割り分筆をしてそれぞれの一人ずつの所有に変更するのが現物分割です。

正確に分割できず差分が発生してしまうときは一部現金で精算を行うこともあります。

建物などを共有している場合は物理的な分割が難しい場合が大半です。

土地であっても間口が狭かったり、不整形だったりすると分割によって著しく価値が落ちてしまいますので、現物分割が採用されるケースは限定されます。

代償分割

代償分割は共有者のうちの1人が共有持分を全て買い取って単独所有とする代わりに、他の共有者に金銭を支払って代償する方法です。

代償分割

現物分割のような物理的な分割は行わずに、金銭のやりとりのみになります。

代償分割は持分を全て買い取る意思と資金力がある共有者がいなければ成立しません。

代償額がどのくらいになるかは裁判所が不動産鑑定評価を行い、決定します。

換価分割(競売)

現物分割では不動産価値が顕著に低下する場合や、代償分割を行うための買取希望者がいない場合は、競売にかけた売上代金を共有者間で分割するという方法をとります。

換価分割

競売にかけてしまうと不動産の時価よりも大幅に安い価格での落札となる恐れがあります。

共有物分割請求訴訟の流れ

いざ共有物分割請求訴訟を起こそうと考えても、具体的にどのような手順を踏めばいいか気になりますよね。

次の項目からは共有物分割請求訴訟の流れをわかりやすくまとめました。

共有物分割請求の流れ
  1. 共有物分割協議を行う
  2. 弁護士と委任契約を結ぶ
  3. 地方裁判所に訴状を提出する
  4. 裁判所から共有者全員に呼出状が送付される
  5. 口頭弁論または答弁書を提出する
  6. 裁判所から判決が下される

訴訟を起こしてから早くて6カ月ほどで判決が下り、その後判決内容に応じた分割手続きが行われます。

①共有物分割協議を行う

裁判はお金と時間がかかる大掛かりな手続きです。

そもそも共有者同士の話し合いで決着するならそのほうが早いですよね。

したがって訴訟を起こす前に、まずは共有者全員で協議をして解決を目指します。

それでも共有者の合意がとれなかったり、何らかの事情で協議ができなかったりする場合は、共有物分割請求訴訟を検討します。

②弁護士と委任契約を結ぶ

共有物の分割は専門的な知識と経験が必要になるため、弁護士に手続きの代行を依頼するのが一般的です。

法的根拠に基づく主張で裁判を有利に進めるためにも、弁護士の存在は欠かせません。

協議や調停など訴訟の前段階から、弁護士に入ってもらうことももちろん可能です。

ただし依頼するには費用がかかるので、必ず事前に見積もりをとりましょう。

弁護士費用の相場は共有持分の時価に応じて計算するため一概にいくらとはいえません。

しかし計算式は2パターンあり、いずれかの方法で算出するケースがほとんどなので共有持分の時価がわかれば目安を調べることは可能です。

弁護士費用の詳しい算出方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

共有物分割請求の弁護士費用はどれくらい?算出方法と節約術を詳しく解説

また時価140万円以下の共有持分であれば、司法書士に依頼することも可能です。

多くの場合、弁護士よりも司法書士に依頼したほうが費用を抑えられます。

③地方裁判所に訴状を提出する

裁判を起こすことが決まったら次は訴状の作成です。

委任契約を結んでいる場合は弁護士が訴状の作成を行ってくれます。

裁判には共有者の全員参加が必要であるため、他の共有者の名前と所在を明らかにしたうえで訴状に記載します。

訴状は共有持分の価格に応じた印紙を添付しなければなりません。

作成した訴状は地方裁判所に提出し、その後裁判所から共有者全員に訴状が送付されます。

ちなみに訴訟を申し立てる人と同じ意見を持つ共有者は原告、反対意見を持つ共有者は被告という位置づけとなります。

④裁判所から共有者全員に呼出状が送付される

裁判所から共有者全員へ「口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」という書面が送られてきます。

口頭弁論期日呼出状には、主に口頭弁論期日の日時や場所が記載されています。

口頭弁論では、裁判所に裁判官や弁護士、当事者が集まり、どのような方法で分割するかという点について当事者の意見や主張をもとに話し合います。

⑤口頭弁論または答弁書を提出する

共有者は呼出状に同封された答弁書に必要事項を記入し、求められた日までに裁判所に提出しなければなりません。

分割に反対する共有者は答弁書だけ提出して、口頭弁論期日に欠席することも可能です。

訴訟を起こした本人は弁護士に依頼していれば出席する必要はありませんが、同行することもできます。

⑥裁判所から判決が下される

裁判所は口頭弁論や答弁書での両社の主張を審理し、最終的には裁判所が現物分割、換価分割、代償分割(競売)のいずれかの方法で判決を下します。

しかし実際のところは判決が下される前に共有者の誰かが原告の持分を買い取る和解というかたちで終結することが多いです。

換価分割(競売)となってしまえば安く買いたたかれ誰にとってもメリットが少なくなってしまうため、やむを得ず和解が選択されるのです。

共有物分割請求訴訟を起こすための3つの要件

共有物分割請求訴訟を起こすためには条件があります。

次の項目からは訴訟を起こすために3つの要件を解説していきます。

いずれの要件も満たしていなければ、訴訟を申し立てても認められない可能性があります。

共有物分割請求訴訟を起こすための3つの要件
  1. 共有者間での協議が合意に至らない場合
  2. 共有者間で協議することができない場合
  3. 共有者間での協議が成立したが履行されなかった場合

要件①共有者間での協議が合意に至らない場合

民法258条1項では「共有物の分割について共有者間に協議が調わない時は、その分割を裁判所に請求できる」と規定されています。

これは共有者間で話し合いをしたものの、分割に反対する共有者が納得せず合意が得られなかったという状況を指しています。

要件②共有者間で協議することができない場合

「協議をすることができない」場合も裁判所による共有物分割ができます。

「協議することができない」とは、共有者が協議することすら拒んでいるケースや共有者の所在が不明のケースなどが含まれます。

実質的な協議ができない状況と判断され、協議をしていなくても裁判を起こすことが可能です。

要件③共有者間での協議が成立したが履行されなかった場合

過去に協議をして合意に至っているものの長期間履行されていないケースで、新たな共有物分割請求訴訟が認められたという判例もあります。

たとえば共有者間で協議をした結果、共有者の一人が他の共有者の持分を全て買い取る方向で合意に至ったものの、買取が5年間以上実行されないままの状態になっているケースなどが該当します。

共有物分割請求訴訟を起こすにあたっての注意点

共有物分割請求訴訟は良いことばかりではなく、あらかじめ覚悟しておかなければならない難点もあります。

次の項目からは共有物分割請求訴訟の難点を詳しく解説します。

共有物分割請求訴訟の難点
  1. 時間とお金がかかる
  2. 思い通りの判決にならない恐れがある
  3. 共有者の関係が悪化する恐れがある

時間とお金がかかる

法的な手続きをとると関係者も増えるため、時間とお金がかかるという覚悟が必要です。

まず訴訟期間は多くの場合、半年程度かかるといわれています。

協議にかかる時間は1~2ヶ月程度と考えると、訴訟がいかに大変な手続きであるかがわかりますね。

さらに裁判所で行われる口頭弁論は1回で終わらず、2~3回かかることもあります。

予定の調整なども大きな負担になるでしょう。

コスト面では弁護士費用や印紙税、郵便料がかかります。

弁護士費用は依頼時に着手金と問題解決時に報酬をそれぞれ支払わなければなりません。

金額は共有持分の価値や裁判の結果次第で異なりますが、それなりに高額になりますので資金確保が必要です。

また印紙税と郵便料は裁判所に支払う費用です。

印紙税は共有持分の評価額(訴額)によって変動します。

例えば共有持分の評価額(訴額)が1,000万円の場合、印紙税は5万円です。

評価額(訴額)に対する印紙額は、裁判所のホームページで調べることができます。
参照:手数料額早見表(裁判所)

郵便料は当事者人数によって変動しますが、数千円程度です。

裁判費用としてはトータルで100万円前後になる可能性が高いでしょう。

思い通りの判決にならない恐れがある

裁判では当事者の主張などを基に審議されるものの、最終的な判断は裁判所にゆだねられています。

必ずしも原告の思い通りの結果になるとは限りません。

「得られる利益は少ないから競売だけは避けたい」

という人も多いのではないでしょうか。

しかし物理的な分割が不可能であったり共有持分を買い取る意思がなかったりすると現物分割も代償分割も採用されず、残る手段は換価分割(競売)のみとなります。

原告と被告どちらの意思にも反するような判決内容となる恐れもあるでしょう。

あらかじめ希望のシナリオだけでなく最悪のシナリオも想定した上で本当に訴訟をするかどうか見極めたほうが良いです。

訴訟を起こした人にとって嬉しい判決の例

訴訟を起こした人にとって嬉しい判決の例賃貸マンション用地を共同購入したAさんとBさん。

しかしマンションのデザインや工事費をめぐって意見が対立していました。

Aさんはこのまま対立が続くのであれば、土地の共有は解消したいと思い、何度もBさんに持分を買い取ってもらえないかという協議を依頼していましたが、Bさんはこれを拒否し、話し合いの場に現れませんでした。

協議ができない状態に困ったAさんは弁護士に依頼して共有物分割請求訴訟を申し立て。

その結果価格賠償の判決が下り、Aさんの持分をBさんが買い取ることで決着しました。

訴訟を起こした人にとって残念な判決の例

都内のオフィスビルを共有しているCさんとDさん。

オフィスビルが老朽化してきたため、建替えを提案したCさんに対して、Dさんは猛反対。

Cさんは建て替えができないのであれば、このオフィスビルは持ち続けたくないと思い、Dさんに持分を買い取ってもらえないか協議を重ねましたが、依然Dさんの合意は得られないままです。

そこでCさんは弁護士に依頼して共有物請求訴訟を申し立て。

Dさんには買取の意思も資金力もないため判決は換価分割(競売)になり、相場よりもかなり安い価格で売却することになってしまいました。

共有者との関係が悪化する恐れがある

共有物分割請求訴訟を起こすと共有者全員が当事者となり、裁判に参加しなければなりません。

基本的には共有者の同意がなくても訴訟を起こすことができてしまうため、いきなり訴状を受け取った共有者は寝耳に水です。

「聞いていない」「勝手に何やっているんだ」と不満が爆発する共有者もいるでしょう。

それだけ強力な手続きなので、共有者間の関係に亀裂が生じるかもしれないということを留意しておく必要があります。

共有持分だけを売却すれば共有状態を解消できる

共有物分割請求訴訟は共有状態の解消を前進させるために有効な手段です。

しかし多大な労力がかかることは覚悟しなければなりません。

共有物分割請求訴訟よりも手間なく共有状態を解消できるのは、共有持分のみを売却する方法です。

自分の共有持分のみであれば他の共有者の同意なしで売却することができます。

他の共有者の合意は必要ない

不動産を丸ごと売却する場合は他の共有者にお伺いを立てなければなりませんが、自分の共有持分のみであれば共有者に知らせずに売却することができます。

売り先も自分自身で自由に選択可能です。

ただし共有持分の売却は、正直なところ買取需要が少ないです。

共有持分買取業者であれば早く高く買取できる可能性がある

共有持分を売却する時には、共有持分買取業者に買取依頼することをおすすめします。

共有持分買取業者はその名の通り、共有不動産を専門に取り扱う不動産会社です。

実績豊富な業者であれば、共有不動産で起こりうる問題のパターンが予測できているため、もし何かあってもすぐに対処できます。

なかでも弁護士などの専門家と連携し、法的根拠に基づいて対応できる業者に依頼すれば、さらに安心です。

このように共有不動産特有のリスクを最小限に抑えられるからこそ、短時間で高価格な買取が実現します。

共有不動産買取業者の選び方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
共有持分 買取業者 共有持分の買取業者はどう選ぶ?売却時の注意点やトラブル事例と対処法も紹介します

まとめ

共有不動産の分割を求めて他の共有者と協議しているものの、なかなか合意に至らないケースはあります。

そのようなときに共有物分割請求訴訟を起こせば、裁判所を通して分割方法を決定することができます。

しかし裁判を起こすためには弁護士や裁判所、他の共有者などたくさんの関係者と調整を行わなければならず大きな負担がかかります。

膨大な労力もむなしく結果的に希望通りの方法で分割できないという可能性も十分に考えられます。

短期間で手間なく売却したいのであれば、共有持分を売却する方法が最適といえるでしょう。

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