浄化槽付き物件の売却は慎重に!売却後のトラブルを防ぐ方法も紹介します

浄化槽物件 売却

浄化槽物件を所有している方の中には、こうした悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

  1. 「そのまま浄化槽ごと物件を売却して大丈夫?」
  2. 「浄化槽物件の売却に伴うトラブルを避けたい・・・」

浄化槽物件の売却時には、注意しないと売却後に思わぬトラブルを引き起こす恐れがあります。

反対に、浄化槽物件でも通常の物件と同じように買い手を見つけやすくすることも可能です。

この記事では、不動産のプロである筆者が浄化槽物件の売却時の注意点や、買主を見つけやすくする方法について解説します。

これを読めば、浄化槽物件の売却手順だけでなく、注意点や売却時のコツなどについての理解が深まるので、ぜひ読んでみてください。

浄化槽物件でも売却は可能?

結論からいうと、浄化槽物件を売却すること自体は可能です。

ただし、必ず売却できるわけではなく、浄化槽がない物件の方が売れやすい上に、浄化槽物件は売却時に注意しなければならない点も多いです。

まずは浄化槽物件の買主が見つかりづらい理由、売却後のよくあるトラブルについて解説します。

売却可能だが買主が見つかりづらい

浄化槽物件のデメリットは、通常の物件よりも買主が見つかりにくいことです。

現在は多くの地域に下水道が整備されていますが、昔は下水道がない地域も多かったため、田舎に行くにつれて浄化槽物件は多い傾向があります。

一方、下水道が整備されていれば、浄化槽は必要なくなります。

そのため、浄化槽物件を売却する際には、売主側が撤去するか買主側が撤去する必要があります。

買主側が撤去する際には、余分にお金がかかることになる上に、手続きなどの手間が増えます。

これらの理由が、浄化槽物件が通常の物件と比べても買主が見つかりづらく、売却しづらい大きな理由です。

売却後にトラブルが起きることもあるため注意

浄化槽物件を売却する際には、売却時だけでなく売却後のトラブルも事前に考え、防止することが大切です。

浄化槽物件売却後の代表的なトラブルは、下記の3つです。

  • 売却時に浄化槽物件であることを隠していた
  • 売主側が浄化槽を撤去しなかったため、買主側に大きな負担となってしまった
  • 浄化槽による地盤沈下のリスク

浄化槽物件であることを隠して売却すると、売却後に浄化槽があることによって生じた損害に対しての責任問題にもなります。

ですので、浄化槽物件であることを必ず事前に伝えた上で売却しましょう。

浄化槽物件の売却方法

浄化槽物件を売却する方法は「浄化槽を撤去する」または「残したまま売却する」の2択です。

浄化槽を撤去する場合としない場合、それぞれにメリットとデメリットが存在します。

つづいては、浄化槽を撤去した場合としなかった場合について、メリットとデメリットをそれぞれ解説します。

浄化槽を残したまま売却

浄化槽物件では、浄化槽を残したまま売却可能です。

浄化槽を残したまま売却するメリットは、浄化槽を撤去する手間がかからない点です。

また、浄化槽は点検や清掃、検査などを定期的に行う必要があり「浄化槽法」で定められています。

そのため、買主にとっても浄化槽物件の定期的な品質管理はデメリットとなることが多いです。

浄化槽を残してを売却する際、点検期間や清掃期間の状況なども一緒に伝えることが大切です。

トラブルを未然に防ぐために浄化槽を撤去してから売却

トラブルを未然に防ぎたいという方は、浄化槽を撤去してから売却することをおすすめします。

浄化槽を撤去する手間はかかりますが、浄化槽を正しく撤去してしまえば手続き等の手間が減り、売却後の買主とのトラブルも防止できます。

また、浄化槽を撤去してから売却することで、買主側も浄化槽を撤去する際の費用や手間が必要なくなるため、買主が見つかりやすくなるというメリットもあります。

浄化槽使用廃止から30日以内に「浄化槽使用廃止届出書」を提出

売却に限らず浄化槽を撤去した場合には、必ず「浄化槽使用廃止届出書」を提出する必要があります。

「浄化槽使用廃止届出書」は浄化槽を使用廃止した日から30日以内に提出しましょう。

浄化槽使用廃止届出書を提出し忘れてしまうと、浄化槽法により5万円以下の罰則が科せられます。

浄化槽使用廃止届出書は、売主や買主関係なく提出に必要があるため、浄化槽の使用を廃止した際には提出しましょう。

参照:浄化槽物件の売却方法と注意点!撤去費用や査定価格はどのくらい?(イエコン)

手間を減らしたい方は買取業者へ売却

浄化槽物件を自分で売却しようとすると手間がかかりますが、買取業者へ売却すれば手間なく売却できます。

買取業者を利用して浄化槽物件を売却するメリットは下記の通りです。

  • 通常よりも早く現金化できる可能性が高い
  • 仲介手数料がない
  • 契約不適合責任の責任がなくなる

「手間をなく売りたい」と考えている方以外にも「トラブルに巻き込まれたくない」という方も買取業者への売却がおすすめです。

買取業者へ売却すれば、売主側の契約不適合責任を負わずに済むので、売却後のトラブルを防止できます。

浄化槽物件の売却価格は?

浄化槽物件の売却価格は「浄化槽を撤去するか?」によって決まります。

ただし、物件によって売却価格の相場は変わるため、一概にいくらで売れるということはないので注意しましょう。

続いては、浄化槽物件の売却価格の相場について解説します。

売却価格相場は物件価格から工事費用などを引いた価格

浄化槽物件の売却価格相場は、物件の価格から浄化槽を撤去する工事費用を引いた価格で決まります。

浄化槽物件の売却価格相場を求める計算式は、以下のとおりです。

【浄化槽物件の売却価格相場】
浄化槽物件の売却価格 = 物件自体の価格 – 浄化槽の撤去工事費用

売主側が浄化槽を撤去しない場合でも、買主側で撤去する必要がある場合は売却価格から工事費用が減額されるのが一般的です。

ですので、高く・早く浄化槽物件を売りたいのであれば、売却前に売主側で浄化槽を撤去しておくことをおすすめします。

浄化槽を撤去するための工事費用は、合計10~15万円前後が必要となります。

まず浄化槽の撤去にかかる工事費用の相場は、約5~10万円程度です。

加えて、浄化槽を撤去する際には、内部を清掃してから撤去するため、追加で清掃費用が約2~4万円程度必要となります。

そのため、浄化槽物件の売却価格の相場は通常物件よりも10~15万円ほど安くなります。

浄化槽物件の売却トラブルを防ぐ方法

浄化槽物件の売却時には、セオリーを知っておけば、売却トラブルを防げます。

具体的には、下記の5点を知っておくとよいでしょう。

  • 浄化槽を使用しない場合は早めに撤去
  • ブレーカーは落とさないで電源はつけたまま
  • 浄化槽が埋没していることを売却先の相手に伝える
  • 臭い対策は十分におこなう
  • 防振マットなどでモーターの振動音対策をする

これらを知っておけば、あなただけでなく買主側も安心してスムーズに取引を進められます。

続いては、浄化槽物件を売却する際に注意すべきことについて解説します。

浄化槽を使用しない場合は早めに撤去

浄化槽を現在使用していない場合、なるべく早く撤去しましょう。

浄化槽の使用を停止した場合、3年以内に撤去しなければならないと下水道法で定められています。

また、浄化槽があることにより、地盤沈下などのリスクや物件の資産価値が減ってしまう可能性が高いため、浄化槽を使用していない場合はできるだけ早めに浄化槽を撤去することをおすすめします。

ブレーカーは落とさないで電源はつけたまま

浄化槽を残したまま売却する場合、ブレーカーを落とさずに必ず電源をつけたままにしておきましょう。

浄化槽の仕組みとして、微生物を浄化槽内に生息させることで汚水を分解するという役割を担っています。

微生物にも酸素は必要であり、電源を切ってしまうことで浄化槽内に酸素を送り込むことができなくなり、浄化槽内の微生物が死滅してしまいます。

浄化槽内の酸素が死滅してしまうと、浄化槽の浄化機能がなくなり異臭を放つようになるため、常に電源はつけたままにしておきましょう。

浄化槽が埋没していることを売却先の相手に伝える

浄化槽物件を売却する際には、浄化槽が埋没している事実を売却先の相手に必ず伝えましょう。

もしも浄化槽が埋没していることを伝えずに売却して、地盤沈下などのトラブルが起きてしまうと、売主が瑕疵担保責任を負わなければなりません。

すると、契約不適合責任に問われて損害賠償を請求されてしまう恐れもあるため、売却時には浄化槽が埋没していることを必ず相手に伝えておいたほうが無難です。

臭い対策は十分に行う

浄化槽物件を売却する際に、大きな問題になりやすいのが臭いです。

電源をつけたままでも、浄化槽を長期間利用していないと、臭いが発生することがあります。

浄化槽を利用していないのに匂いが発生してしまう多くの原因は、水を流さなくなったことにより管内の水が蒸発して臭いのもととなってしまっているからです。

それらを防ぐためにも、浄化槽の電源を入れ続けておくだけでなく、定期的に水を流したり、浄化槽内の換気などをおこなうことが大切です。

防振マットなどでモーターの振動音対策をする

浄化槽物件を売る場合、臭いだけでなく防振マットなどを活用したモーターの振動音対策も必要です。

浄化槽のモーターの振動音は、室内まで届くこともあり、実際に住んでみると不快に感じることもあります。

臭いとは異なり、モーターの振動音は実際に住んでからわかることが多いため、売却時にはモーターの振動音についても買主に伝えましょう。

簡単にできる対策として、モーター下部に防振マットをつけることでモーターの振動音を軽減できます。

残したまま売却する際には、あらかじめ防振マットを装着した状態で売却することをおすすめします。

浄化槽の撤去は下水道の整備状況によって異なる

浄化槽物件は通常の物件よりも買主が見つかりづらく、浄化槽の撤去にも手間や費用がかかります。

トラブルやリスクの原因にもなりかねない浄化槽ですが、必ずしも撤去しなければならないのでしょうか?

続いては、浄化槽を撤去する必要がある場合とない場合の違いを解説します。

下水道が整備されていなければ浄化槽は残す

浄化槽物件の中でも、下水道が整備されていない場所で売却する際には、浄化槽を残したまま売却しましょう。

そもそも浄化槽とは、下水道が通っていない場所の下水を処理するための設備なので、下水道がない物件で浄化槽は必須の設備です。

そのため、下水道が整備されていない地域の住宅では、売却時にも浄化槽は残したままにする必要があります。

下水道が整備されていれば1年以内に下水道へ切り替える

下水道が整備されている場合には、1年以内に浄化槽を撤去しましょう。

自ら浄化槽の使用を廃止した場合には、3年以内に撤去する必要があります。

「下水道法」や地域別の「条例」によって、下水道が整備された場合には1年以内に撤去する必要があると定められています。

自分の浄化槽物件がある地域では、どのような決まりがあるのかを事前に調べておきましょう。

浄化槽物件でも、下水道が整備されていれば浄化槽は必要ありません。

そのため、下水道が整備され次第、速やかに浄化槽を撤去しましょう。

浄化槽を撤去するにはいくらかかる?

浄化槽の撤去は無料でできるわけではありません。

撤去工事は、事前に工事の相場費用を知っておくことが大切です。

また「浄化槽のみ撤去する場合」と「下水道への切り替え工事もする場合」では工事費用が異なります。

続いては、ケースごとの浄化槽の撤去費用について解説します。

浄化槽の撤去のみなら約5~10万円

浄化槽を撤去するだけであれば、約5~10万円での撤去可能です。

しかし、撤去前には浄化槽内を清掃する必要があり、この清掃に約2~4万円程度かかります。

そのため、浄化槽の撤去する場合、最低7~8万円程度は必要となるでしょう。

周辺地域の工事費用の相場や浄化槽の大きさ、種類などによっても価格は前後することがあるため、事前に見積もりを取ることをおすすめします。

浄化槽の撤去と下水道への切り替え工事をすると約20~30万円

浄化槽の撤去だけでなく下水道への切り替え工事も施すと、合計で約20~30万円程度の費用がかかります。

ただし、下水道へ切り替えてから売却することで、売却が容易になるというメリットもあります。

また、地域によっては浄化槽の撤去費用を補助してくれることがあるため、浄化槽を撤去する際には事前に確認してみましょう。

撤去費用をどちらが負担するかは交渉可能

すでに買主が見つかっている場合、売却時に撤去費用をどちらが負担するのかを買主と交渉しましょう。

一般的に、買主が浄化槽を撤去する場合、売却価格から工事費用を引いた価格で売却することになります。

ただ、売却価格から工事費用を引いたとしても、浄化槽を撤去するための手間がかかってしまいます。

手間がかかると買主も見つかりづらいので、なるべく浄化槽を撤去した上で売却することをおすすめします。

浄化槽物件はトラブルに注意して売却しよう

この記事では、浄化槽物件を売却する際の注意点や売却時のコツなどについて解説しました。

浄化槽物件は、浄化槽を撤去しない状態でもそのまま売却可能です。

しかし、事前に浄化槽を撤去しておけば、そのまま売却するよりも買主が見つかりやすく、売却価格も高くなりやすいです。

一方で事前に浄化槽を撤去する場合、売主側が手間や費用を負担しなければなりません。

浄化槽を撤去せず、浄化槽物件を手間なく売りたい場合、訳あり物件専門の買取業者に買取してもらうとよいでしょう。

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