両親や祖父母が亡くなると、実家などを相続する機会があるでしょう。
しかし、兄弟などがいると不動産の相続で揉めてしまう恐れもあります。
- 長男が不動産を1人で相続しようとする・・・
- 疎遠だった妹まで不動産を相続できるのはおかしい・・・
- なぜか兄の嫁にまで実家の相続権がある・・・
こうした、不動産相続トラブルは他人事ではありません。
不動産を相続する場合、現金のように手軽に分けられないため、親族間でトラブルになるケースも珍しくありません。
この記事では、不動産相続トラブルを経験したことのある方87名にアンケートをおこない、トラブルの起きた原因や相手などの調査結果を紹介します。
具体的には、次のアンケートをおこない、その調査結果を1つずつ解説していきます。
- どんな原因で不動産相続トラブルが起きたのか?
- 誰と不動産相続トラブルで争ったのか?
- 不動産相続トラブルの解決後は仲直りできたか?
- 相続した不動産はどのように利用したか?
- 不動産相続トラブルを弁護士などに相談したか?
これから不動産を相続する方も、経験者の体験談やアドバイスを読んで、トラブルなく相続する方法を学んでおきましょう。
目次
不動産相続トラブルの原因は?
そもそも、どうして不動産相続トラブルが起きてしまうのでしょうか。
不動産相続トラブルの経験者からアンケートをとり、その原因を聞いてみました。
アンケート結果の1~3位は次のとおりです。
- 不動産の取り分で揉めた(約61%)
- 不動産の押し付け合いで揉めた(約14%)
- 登記の手続き関連で揉めた(約11%)
意外なことに、不動産を相続したい人ばかりとは限りません。
なぜなら不動産を相続すると、相続税などの税金が課せられてしまうからです。
種類 | 課税される時期 |
---|---|
相続税 | 相続した年のみ課税される |
固定資産税 | 相続後は毎年課税される |
都市計画税 | 相続後は毎年課税される |
また不動産を相続したからといって、その不動産を売却できるとは限りません。
1つの不動産を複数人で所有する場合「共有持分」という権利だけを相続します。
共有持分を相続するケースは次の2パターンです。
- もともと共有名義だった共有不動産を相続する場合
- 単独名義の不動産を兄弟など複数人で相続する場合
共有持分を相続しても、共有不動産そのものは自由に扱えません。
次のように、共有不動産を貸す・売る場合には、それ相応の持分が必要になります。
種類 | 条件 | 具体例 |
---|---|---|
保存行為 | 持分さえあれば可能 | 住居に住むなど |
管理行為 | 過半数の持分における合意が必要 | 物件を貸し出すなど |
変更行為 | 共有者全員の合意が必要 | 不動産を売却するなど |
これらのメリット・デメリットを踏まえて、不動産相続トラブルの原因をみていきます。
1位:それぞれの取り分で揉めた
第1位は、それぞれの不動産の取り分で揉めるケースで、不動産相続トラブルの過半数を占めます。
自宅や土地などの不動産は、物理的に分けにくい性質があります。
そのため「誰が・どのくらい相続するか?」で揉めることが多いのです。
相続における取り分に関しては、まずは「遺言書」の内容が最優先されて、次いで民法900で定められた「法定相続分」のルールに従って相続人へ分配されます。
- 被相続人が作成した「遺言書」
- 民法で定められた「法定相続分」
「法定相続分」で財産を受け取れる法定相続人には相続順位があり、第1順位から第3順位まで相続権が移っていきます。
- 第1順位:配偶者(1/2)と子供(1/2)
- 第2順位:配偶者(2/3)と父母・祖父母(1/3)
- 第3順位:配偶者(3/4)と兄弟姉妹(1/4)
配偶者は常に相続人となりますが、子供が相続しない場合は父母、父母も相続しない場合は祖父母へ相続権が移ります。
子供や父母などが複数人いる場合、さらに上記の割合から均等します。
2位:不動産の押し付け合いで揉めた
相続できる不動産が必ずしもプラスの資産とは限りません。
例えば、ゴミ屋敷や事故物件のような場合では、目にみえて負債といえるので相続したくない人も多いでしょう。
1つの不動産を複数人で共有する「共有不動産」も、自由に売ったり貸したりできないため、資産価値が低い傾向にあります。
- 過半数の持分割合がないと貸し出しできない
- 共有者全員の同意がないと売却できない
つまり、相続で共有不動産を取得しても、お金になりにくいのです。
しかし不動産を相続すると、税金を負担しなければならないため、相続することでメリットどころかデメリットを抱えてしまうケースもあるのです。
そのため、どの相続人も「相続したくない」と嫌がってしまい、不動産の押し付けあいになるケースも珍しくありません。
「相続放棄」をすれば、すべての財産を一切相続せずに放棄することも可能です。その場合は次の相続順位の法定相続人へ相続権が移ります。
3位:登記の手続き関連で揉めた
不動産を相続する場合、口約束ではなく「登記」という手続きが必要です。
登記とは、法務局が管理する登記簿に「どこにある・どんな不動産か?」を法的に証明する手続きのことで、これをもって所有権の移転が完了します。
つまり、口頭で約束した内容ではなく登記された内容が法的効力をもつため、トラブル例として「約束した内容と登記内容が異なっていた」といったものが少なくありません。
- 知らないうちに違う内容で不動産登記されていた
- 他共有者に不動産登記を任せたら手続き自体を忘れていた
相続人全員で登記をしなければ、不動産相続トラブルになってしまう恐れがあります。
遺言を作れば不動産相続トラブルは避けられる?
相続トラブルを避ける方法としては「遺言」が代表的です。
遺言とは、被相続人の意思を証明できる書類のことで、相続する財産や人物について、被相続人から指定することが可能です。
つまり、遺言を作成すれば「誰に何を残すか?」を被相続人側から指定できます。
そこで「遺言があればトラブルにはならなかった?」という質問をしてみました。
このアンケートの回答結果は以下のとおりです。
- そう思う(59.3%)
- そう思わない(25.6%)
- 遺言があったのにトラブルになった(15.1%)
遺産相続では、遺言の内容が最優先されるため、やはり不動産相続トラブルを回避するには遺言の作成が最善のようです。
一方で、遺言を作成しても相続トラブルになると思う人や、実際にトラブルが起きたケースもあるため注意が必要です。
それぞれのケースについて、1つずつ見ていきましょう。
遺言があれば不動産相続トラブルを避けられる(約60%)
「遺言があれば、不動産相続トラブルを避けられる」と回答した人は約5人中3人でした。
遺言があれば、基本的に遺言の内容に従って遺産分割されるので、遺産をめぐる相続人同士のトラブルを防止できます。
ただし、法定相続人の生活を保障するため、本来相続できる取り分の約半分までは「遺留分」として法定相続人が取得できる点に注意しましょう。
- 第1順位:配偶者(1/4)と子供(1/4)
- 第2順位:配偶者(1/3)と父母・祖父母(1/6)
- 第3順位:配偶者(1/2)と兄弟姉妹(なし)
もし遺留分を無視する遺言があった場合、法定相続人が「遺留分侵害額請求」を家庭裁判所に申請することで遺留分を取り戻すことが可能です。
遺言があっても不動産相続トラブルは避けられない(約40%)
「遺言があっても、不動産相続トラブルは避けられない」と回答した人も約5人中2人いました。
そのうち約15%の人は、実際に遺言があったのに不動産相続トラブルを経験したそうです。
なぜなら、遺言書には法律上で書式が定められているため「遺言書を書いたつもりが、誤った書式で記述されていたので認められなかった」というケースもあるためです。
「遺言書」には以下の3種類があり、それぞれ法的効力が異なります。
種類 | 説明 |
---|---|
自筆証書遺言 | 自分だけで書いた遺言書 無効になる場合が多い |
公正証書遺言 | 公証役場で作成する遺言書 遺言として認められる可能性が高い |
秘密証書遺言 | 公証人に知られずに作成する遺言書 認められない場合もある |
このうち、筆記用具・紙・印鑑だけで作成できる「自筆証書遺言」は、書き間違えや内容次第では遺言書として無効にされてしまう場合があります。
遺言書としての法的効力を持たせるなら「公正証書遺言」で作成するのがベストでしょう。
不動産相続トラブルになった相手は?
不動産相続トラブルが起きる場合、誰とトラブルになるのでしょうか。
「トラブルになった親戚との関係を教えてください」と質問したところ、回答結果は以下のようになりました。
- 兄弟・姉妹(約41%)
- いとこ(約32%)
- 叔父・叔母(約17%)
- 甥・姪(約4%)
- その他(約11%)
不動産相続トラブルが起きる原因の約1/3以上は、兄弟間での揉め事になります。
残りは法定相続人でない、いとこや叔父・叔母との相続トラブルが占めています。
それぞれ、どのようなトラブルに発展するのか見ていきましょう。
1位:兄弟・姉妹(約41%)
第1位は兄弟・姉妹間での相続トラブルで、5人中2人以上で起きています。
普段は仲の良い兄弟でも、相続になるとトラブルが起きやすいです。
なぜ兄弟・姉妹間で相続トラブルが起こりやすいのかというと、法定相続での相続順位が同じだからです。
つまり、本来であれば不動産を均等に分け合うはずなのに、どちらか一方の取り分が多すぎる場合、トラブルに発展してしまいます。
トラブルを予防するには、法定相続分に従って兄弟で均等に分割するか、あらかじめ遺言書で相続分を指定しておくとよいでしょう。
2位:いとこ(約32%)
第2位はいとことの相続トラブルで、約3人中1人が該当します。
法律上、いとこは親族であっても法定相続人ではないため、相続権はありません。
しかし、いとこ側から相続権を主張してきたり、遺言書の内容によってはいとこに相続権が与えられている場合があります。
すると、本来の法定相続人が「いとこが相続できるのはおかしい」と不服を申し立てるため、不動産相続トラブルに発展してしまうのです。
いとこ側が正当な理由なく相続権を主張している場合、相続権は認められませんが、遺言書で相続権が与えられている場合、いとこも遺産を相続できます。
ただし、本来の法定相続人も遺留分は相続できるので、その点は主張して問題ありません。
3位:叔父・叔母(約17%)
第3位は叔父・叔母との相続トラブルで、約5人に1人が該当します。
法律上、叔父・叔母も親族であっても法定相続人ではないため、相続権はありません。
こちらのケースも、叔父・叔母側から相続権を主張してきたり、遺言書によって叔父・叔母に相続権が与えられてしまうことがあります。
この場合も遺言書で相続権が与えられている場合、その内容に従う必要がありますが、法定相続人も遺留分として必要最低限の財産を相続できます。
不動産相続トラブルになった相手と仲直りできる?
不動産相続トラブルが起きた後、心配になるのがその後の関係です。
そこで「トラブルになった親族と関係修復はできそうですか?」という質問をしてみました。
回答結果は次のとおりです。
- 修復する可能性はある(31.4%)
- 修復した(30.2%)
- 修復する可能性はない(26.7%)
- 今後も修復するつもりはない(11.6%)
意外なことに不動産相続トラブルが起きても、半分以上は関係が修復する余地があるようです。
一方で5人中2人は、不動産相続トラブルによって親族関係が修復不能なほどに悪化してしまうようです。
それぞれのケースについて、見ていきましょう。
トラブルが起きても過半数は仲直りしている
不動産相続トラブルが起きた後でも、約5人中3人は親族と仲直りしているようです。
不動産相続トラブルが起きても半分以上は仲直りに成功しています。
多くの場合、もともとの親族関係が悪いわけではなく、不動産の相続を巡ってトラブルになってしまうだけなのです。
そのため、不動産相続トラブルさえ解消すれば、元どおりの親族関係に戻れるケースは決して珍しくありません。
トラブル後も仲直りできない可能性は約40%
不動産相続トラブルが起きた後「関係が修復する可能性がない」または「修復するつもりがない」という方も約40%いました。
つまり、約5人中2人は不動産相続トラブルで親族関係が悪化したまま、仲直りできていないのです。
不動産相続トラブルは円満に解決できないと、その後も子供の代まで引きずって数年・数十年単位で遺恨を残す恐れもあります。
冠婚葬祭などのイベントにも影響するため、不動産相続トラブルは弁護士に依頼してでも円満に解決するべきでしょう。
相続した不動産の使い道は?
不動産を相続した後、どのように使うべきか迷う方も少なくありません。
「その後、相続した不動産はどうしましたか?」という質問をしてみました。
アンケート結果は次のとおりです。
- 相続人一同で不動産全部を売却して現金の一部を相続した(約23%)
- 不動産の一部を相続し、そのまま放置している(約20%)
- 不動産の一部を相続し、親族に売却した(約13%)
- 不動産の一部を相続し、個人で業者などに売却した(約7%)
- その他(約40%)
相続した不動産は現金化してから、相続人全員で分け合う方法が多いようです。
一方、せっかく相続した不動産をそのまま放置してしまうケースも少なくありません。
この項目では「相続した不動産をみなさんはどのように活用しているのか?」を見ていきましょう。
1位:相続人一同で不動産を全体売却して現金化した
第1位は相続人一同で不動産を全体売却して現金化するパターンです。
もっとも高値で不動産を売却できるうえ、取り分も明確にわかりやすいので、5人中2人以上はこの方法で遺産分割しています。
先述したとおり、共有持分だけ所有していても、共有不動産そのものを貸したり売ったりできないため、売却価格が安くなりやすいです。
一方で共有不動産を丸ごと売却すれば、購入した買主は不動産を自由に扱えるため、共有持分よりも高額売却しやすく、買主からの需要も多いです。
共有不動産を全体売却する場合、共有者全員の合意が必要になりますが、反対する共有者がいる場合、弁護士へ説得を依頼するとよいでしょう。
2位:相続した不動産をそのまま放置している
第2位は相続した不動産をそのまま放置しているパターンです。
「共有不動産を売却したい」と思っているのに、他共有者から反対されて「売却したいのに売却できない」という方も少なくありません。
そのため、不動産を相続した人の約5人に1人はそのまま放置してしまっています。
共有不動産そのものは共有者全員の同意がないと売却できませんが、共有不動産の権利である「共有持分」だけであれば、個人で自由に売買できます。
もし「共有不動産を売却したいのに、他共有者が反対していて売却できない」という場合、専門の買取業者に買取してもらうとよいでしょう。
3位:相続した不動産を親族や業者へ売却した
第3位は相続した不動産を親族や業者へ売却したパターンです。
相続した不動産を売却する方法には、以下の3種類があります。
- 他共有者へ持分売却する
- 仲介業者を利用して第三者へ持分売却する
- 専門買取業者に持分買取してもらう
「共有不動産を単独所有にしたい」や「持分割合を増やしたい」という共有者がいる場合、共有者同士で持分売却が可能です。
また、不動産仲介業者を通じて投資家など第三者への持分売却も可能ですが、買主が見つかるまで時間がかかりやすく、売却価格も安くなる傾向にあります。
相続した不動産をできるだけ早く・高く売却したい場合、共有持分の専門買取業者に買取してもらうことをおすすめします。
専門買取業者であれば、自社で持分を買取するので最短数日で持分を現金化できますし、買取した持分の使い道も熟知しているので、高額買取してもらいやすいです。
不動産トラブルは弁護士へ相談するべき?
不動産相続トラブルには法律も関わるため、弁護士などの専門家へ相談するのがベストでしょう。
そこで「不動産トラブルを弁護士や司法書士などに相談しましたか?」という質問をしてみました。
結果は以下の通りで、ほぼ半分に割れました。
- 相談した(約49%)
- 相談しなかった(約51%)
それぞれ弁護士へ相談した理由・相談しなかった理由を見ていきましょう。
不動産トラブルを弁護士へ相談していない(約51%)
不動産トラブルを抱えている人のうち、約51%は相談せずに放置したままでした。
次のような理由から「弁護士=ハードルが高い」と躊躇された方が多いようです。
- 「弁護士事務所へ行ったことがないのでなんとなく不安・・・」
- 「弁護士費用が高そうで、なかなか相談しづらい・・・」
近年では、わざわざ弁護士事務所へ出向かなくても、ネットや電話で無料相談を受け付けている事務所も多いです。
「弁護士事務所に行ったことがない・・・」と不安な方も、まずは無料相談を利用して、弁護士へ悩みを打ち明けてみてはいかがでしょうか。
不動産トラブルを弁護士へ相談した(約49%)
不動産相続トラブルを抱えている人のうち、約49%は弁護士へ相談して解決したそうです。
弁護士が親族の間に入って仲裁することで、依頼人の希望を尊重しつつ、法的知識を用いて不動産相続トラブルを円満に解決してくれます。
不動産相続トラブルの解決にかかる弁護士費用は、おおよそ以下のとおりです。
費用の種類 | 金額 |
---|---|
相談料(2回目以降) | 1万円(1時間あたり) |
着手金 | 20~30万円 |
報酬金 | 相続した不動産の約10% |
2回目以降の相談料は1時間あたり1万円が相場になります。
不動産相続トラブルに関しては、着手金として20~30万円かかる事務所が多いです。
報酬金は弁護士事務所によって変わりますが、相続した不動産の約10%が多いようです。
一見すると高額なようにも思えますが、一度他人へ相続されてしまった不動産を取り戻すことは困難ですので、相続前に弁護士へ相談しておくことをおすすめします。
経験者が語る!不動産トラブルを避けるコツは3つ
ここまで不動産の相続トラブルについて解説してきましたが、やはり実際に経験してみないとわからないことだらけですよね。
そこで最後は「もし相続前に戻れるならトラブル回避のために何をしますか?」という質問をおこない、反省点や後悔していることなどを教えていただきました。
経験者のアドバイスの中でも、とくに多かった意見を3つ紹介します。
1.被相続人が亡くなる前に遺産の分け方を相談しておく
もっとも多かったのが「被相続人が亡くなる前に遺産の分け方を相談しておく」というアドバイスです。
- 「相続についての話し合いを生前にしておけばよかった」
- 「生前にきちんと遺言状を作成したり、親族と話をしておけばよかった」
- 「親が認知症になる前にきちんと話し合えばよかったと思う」
なかなか「遺産の分け方を事前に話し合おう」とは言いづらいかもしれませんが、後で相続トラブルになることに比べれば些細な問題です。
ただし、相談した遺産の分け方は口約束ではなく、必ず遺言書として書面に残しておきましょう。
2.きちんと遺言書を作成して遺産の分け方を決めておく
「遺言書を作成して、遺産の分け方を決めておく」というアドバイスも多いです。
- 「きちんと誰が相続するか遺言書で決めておけば、トラブルなく相続できた」
- 「かんたんな遺言状ではなく、詳細まで書いておいて欲しかった」
- 「親に遺言書を書いてもらい、公正証書にして保管してもらうべき」
遺産相続においては遺言書の内容が最優先されるため、遺言書さえ作成しておけば、法定相続分を無視して自分の意思通りに不動産を相続できます。
もし他相続人から反対されても「遺言書に書かれているので法的効力がある」と主張すれば、遺言書の内容どおりに不動産を相続できるのです。
そのため、可能であれば生前に被相続人へお願いして、自分の不利にならない内容の遺言書を作成してもらいましょう。
3.トラブルになる前に弁護士へ相談しておく
実際に依頼した方のほとんどが語るのが「トラブルになる前に弁護士へ相談しておく」というアドバイスです。
- 「弁護士を立ててでも相続権を貰うべきだった」
- 「最初から弁護士に頼んでおけば、もっと楽に手続きできた」
- 「親兄弟だからと油断せずに早々に弁護士を立てれば良かった」
弁護士へ依頼すれば、法的根拠に基づいて自分の意見を主張できるので、本来もらえる遺産があるのに相続できないという事態を防げます。
また、相続人との交渉を弁護士に一任できるので、依頼者は何もせずにトラブルを解決できることもメリットです。
弁護士によっては、相続登記の手続きまで依頼できるほか、相続税の抑え方までアドバイスしてくれる弁護士もいます。
不動産相続トラブルを解決したい場合、不動産トラブル・相続トラブル、どちらも得意とする弁護士へ依頼するとよいでしょう。
まとめ
この記事では、不動産相続トラブルについて、経験者からアンケートを取り、トラブル回避法について解説しました。
結論として、不動産相続トラブルを避けるには、次の3つを徹底すればOKです。
- 被相続人が亡くなる前に遺産の分け方を相談しておく
- 公正証書遺言を作成して遺産の分け方を決めておく
- トラブルになる前に弁護士へ相談しておく
不動産相続のコツとしては、早めに対応するほど、トラブルなく相続を進められる可能性が高いです。
不動産相続トラブルを起こさないためには、なるべく早い段階、できれば被相続人が存命中に弁護士の無料相談を受けておくことをおすすめします。
無料相談を利用すれば「遺言書はこのように書いたら良い」といったアドバイスなどを無償で受けられる場合もあります。
もし既に不動産相続トラブルが起きている場合、相続できる分だけ相続して、共有持分を買取業者へ売却するのもひとつです。
共有持分さえ手放してしまえば、トラブルを抱えている共有関係から抜け出せるうえ、持分に応じた買取価格も受け取れます。
もしも不動産相続トラブルが起きた場合、次の相談先があることを覚えておくとよいでしょう。
- 希望通りに不動産を相続したい:弁護士へ相談する
- 相続トラブルを早く解消したい:買取業者へ共有持分を売る
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