連棟式建物・長屋とは、2戸以上の住宅が一体になっている物件のことです。
連棟式建物・長屋は「老朽化しているケースが多い」「自分の意思だけでは再建築ができない」といった理由から、売却が困難です。
実際に売却すると、相場価格の70%程度になることがほとんどです。
なるべく高く売るには、複数の不動産会社に査定してもらい、査定額を比較することをおすすめします。
不動産会社によって査定額が大きく変わるため、連棟式建物・長屋でも高値で売却できるところがきっと見つかります。
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- 連棟式建物・長屋の全体を売却するには住人全員から許可を得る必要がある。
- 連結部を切り離して単独の建物にするのは難しい。
- 「再建築が難しい」「住宅ローンが使えない」などの理由で売却価格が下がりやすい。
目次
連棟式建物・長屋とは2戸以上の住宅が一体になっている物件のこと
連棟式建物・長屋は「2戸以上の住宅が一体になっている物件」のことです。テラスハウスと呼称されるケースもあります。
建物の構造として、屋根や壁が隣家と連結されている特徴があります。複数の住宅がつながれているような構造ですが、登記上は単一の物件です。
連棟式建物・長屋は単一の建物ではありますが、部屋ごとに所有者が分けられています。
つまり、連棟式建物・長屋とは単一の建物を複数人で所有している状態です。
土地を効率よく利用するために連棟式建物・長屋は建築される
連棟式建物は、二世帯住宅で多く利用されます。
また、土地を有効活用するため、連棟式建物が建てられるケースがあります。
連棟式建物・長屋は隣家と壁がつながっているため、各住宅を隙間なく配置できます。
この土地Aに2つの建物を建てようとすると「手前側の接道している土地」と「奥側の接道していない土地」にわけられます。
接道していない土地は、建築ができないことが原則ですので、土地Aに2つの建物は建てられません。
そこで、土地Aに連棟式建物を建築すれば、1つの土地に複数の住宅を建築できます。
このように、土地を効率よく利用するため、連棟式建物は建てられます。
連棟式建物・長屋は売却が難しい
連棟式建物は、安価で購入できるメリットがあります。
その反面、以下のような理由から売却が困難になるケースがほとんどです。
- 連棟式建物・長屋そのものを売却するには住人全員の許可が必要
- 連結部の切り離しは認められているが現実的には非常に困難
以下の項目から詳しく解説していきます。
連棟式建物・長屋そのものを売却するには住人全員の許可が必要
連棟式建物は登記上、単一の建物です。その所有権をそれぞれの住宅ごとに分け合っています。
そして、物件そのものを売却するためには「建物の所有権を持つ人全員の同意」が必要です。
このとき、連棟式建物そのものを売却するには、Aさん世帯とBさん世帯の同意が必要です。
連棟式建物が3戸以上の場合も、過半数の同意でなく住人全員の同意が必要です。
連結部の切り離しは認められているが現実的には非常に困難
連棟式建物はそれぞれが住宅として機能しているため、連結部を取り壊すことで、単独の建物とできます。連棟式建物から連結を外し、単独の建物にできれば個人の判断で家を売却できるようになります。
ただし、連結部の破壊や切り離しをおこなうと、建物の強度に影響を与える恐れがあります。
また、比較的簡単な工事だけで連結部を切り離せる場合でも、隣家の同意を得なくてはなりません。
施工中の騒音や衝撃の発生、切り離しによって生じる建物の強度低下などが否めないため、隣家から同意を得ることは困難です。
なお、切り離しによって接道義務が満たせなくなる場合は、切り離しをおこなえません。
これらのことから、連結部の切り離したのちに、物件を売却することは非常に困難です。
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連棟式建物・長屋の売却相場は通常物件の70%程度
さきほどもお伝えしましたが、連棟式建物・長屋は売却が困難です。
一般的な物件と比べた場合、連棟式建物の売却相場は70%程度といわれています。
また、連棟式建物は流通が少なく、価格基準が明確になっていないことも、相場価格が安くなる原因の1つです。
売却価格が安くなる理由
前の項目で説明した通り、一般的な不動産の売却相場よりも、連棟式建物の売却相場は安くなります。
連棟式建物の売却相場が安くなる理由には以下のようなものがあります。
- 所有者単独での再建築が難しい
- 住宅ローンを利用できない恐れがある
次の項目から詳しく見ていきましょう。
所有者単独での再建築が難しい
連棟式建物には築年数が古い物件が多いです。物件が老朽化していることから、買主は購入時に建て替えを希望するケースがほとんどです。
しかし、隣家と連結されていることから、建て替え・再建築をおこなうことは非常に困難です。
隣家との連結を切り離し再建築しようとしても、切り離しには隣家の許可が必要になります。隣家の住人からすると、切り離しにはデメリットしかないため、なかなか許可が得られないでしょう。
これらの理由から、連棟式建物の再建築は困難です。
住宅ローンを利用できない恐れがある
連棟式建物は築年数が古いため、耐震基準を満たしていない恐れがあります。再建築やリフォームの実施も困難です。
このような点から、連棟式建物は資産価値が低いとみなされることが一般的です。
そして、資産価値の低い物件では、住宅ローンを受けられない恐れがあります。
連棟式建物は相場価格が低いため、安く物件を購入したい買主には人気ですが、現金一括で購入資金を用意しなければなりません。
カードローン会社など、ノンバンクであれば住宅ローンを受けられる可能性が高いですが、大手の銀行よりも高い金利を支払う必要があります。
魅力的な物件だったとしても、買主からすると住宅ローンを利用できないのは痛手となるでしょう。
連棟式建物・長屋を高値で売却する方法
さきほども説明した通り、連棟式建物・長屋は再建築が不可なことや、住宅ローンを利用ができないことから売却が困難です。
そこで、高値で売却するために、以下3つの方法を実施してみましょう。
- 物件全体を買い取ってから売却する
- 隣家の住人に売却できないか相談する
- 複数の不動産会社に査定してもらう
次の項目からそれぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
物件全体を買い取ってから売却する
連棟式建物は築年数が古いことが多いです。
老朽化している物件であっても、再建築をおこなえないのが連棟式建物のデメリットの1つです。
そこで、物件全体を買い取ってから売却することを検討しましょう。
連棟式建物そのものを所有できれば、再建築や切り離しを自分の意思だけでおこなえるようになります。連棟式建物のデメリットを排除できれば、相場価格と変わらない価格で取引できるようになります。
また、物件そのものを所有できれば連棟式建物として売却できるだけでなく「一部分だけ賃貸物件として利用する」「更地にしてから売却する」というように、さまざまな方法で運用できるようになります。
隣家に住人がいない時や隣家の住人も売却を検討しているとき、とくに有効な方法といえます。
隣家の住人に売却できないか相談する
さきほどの方法とは反対に、隣家に居住している人への売却を検討しましょう。
隣家の所有者は新たに隣接している住宅を買い取れます。
買主にとっても連棟式建物の活用方法が増えるため、お互いに得できる方法といえるでしょう。隣家の住人と日頃から適切なコミュニケーションがとれていれば、相談に対応してくれるかもしれません。
ただし、当人だけで売却に関する内容を決めてしまうと、のちのちにトラブルに発展する恐れもあります。
トラブルを避けるため、隣家の所有者に売却する際でも、不動産業者に介入してもらい売却を進めるとよいでしょう。
複数の不動産会社に査定してもらう
不動産会社は、各社で得意な物件が違います。同じ物件でも、不動産会社によって売却価格が数百万円変わることもありえるのです。
そのため、複数の不動産会社に査定してもらい、査定額を比較するのが、高値で売却するコツです。
一括査定を利用すれば、全国の不動産会社にまとめて査定依頼を出せるため、連棟式建物・長屋でも高値で売却できるところがきっと見つかります。
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まとめ
この記事では、連棟式建物・長屋の売却方法や相場を解説しました。
連棟式建物は「所有者だけでは再建築できない」「買主は住宅ローンを利用できない」といった理由から、売却が困難になります。
連棟式建物の売却価格は普通の物件と比べると70%程度まで安くなってしまいます。
また連棟式建物を売却するには、所有者全員の許可を得る必要があるため、物件自体の売却はむずかしいです。
連棟式建物を切り離せば、自由に売却できるようになりますが、切り離すためにもさまざまな条件があるため、現実的には困難でしょう。
ですので、連棟式建物を売却する際は
- 物件全体を買い取ってから売却する
- 隣家の住人に売却できないか相談する
- 専門の買取業者に売却する
といった方法を検討すべきです。
連棟式建物・長屋を売却したい場合、自分1人では売却がむずかしいので、不動産業者へ相談して協力・アドバイスしてもらうとよいでしょう。
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連棟式建物・長屋の売却でよくある質問
残念ながら連棟式建物・長屋は売却が困難です。理由としては「連棟式建物・長屋そのものを売却するには住人全員の許可が必要」「連結部の切り離しは認められているが現実的には非常に困難」といったものがあげられます。
連棟式建物は、二世帯住宅で多く利用されます。また、土地を効率よく利用するために、連棟式建物が建てられるケースもあります。連棟式建物・長屋は隣家と壁がつながっているため、各住宅を隙間なく配置できます。
連棟式建物・長屋の売却相場は通常物件と比べると「7割」程度です。連棟式建物は流通が少なく、価格基準が明確になっていないことが相場価格が安くなる理由です。
連棟式建物には築年数が古い物件が多いです。しかし、所有者単独での再建築が難しいことや、買主が住宅ローンを利用できない恐れがあることから、売却相場が安くなります。
連棟式建物・長屋を高値で売却するには「物件全体を買い取ってから売却する」「隣家の住人に売却できないか相談する」「専門の買取業者に売却する」といった方法があります。ただし、自分1人連棟式建物・長屋を売却するのはむずかしいので、不動産業者へ相談するとよいでしょう。
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