事故物件をスムーズに売却するために必要な3つのポイントを徹底解説

事故物件 売る ポイント

事故物件を抱え、できるだけ早く処分したいとお困りではありませんか?

実をいうと、事故物件の怖いところは「売れにくさ」「価格の安さ」ではなく、売却方法によって、後日買主から損害賠償請求されてしまう可能性があるところです。では、あと腐れなく事故物件を売却するために、売主はどんなポイントに注意すべきなのでしょうか。

本記事では、事故物件をスムーズに売却するための3つのポイントについて徹底解説いたします。事故物件をできるだけ高く早く処分したいとお考えの人は、ぜひ参考にしてください。

事故物件を売るための基礎知識

事故物件は「事故物件である」という明確な定義がありません。

しかしながら、下手をすれば損害賠償請求される恐れのある「厄介な物件」でもあります。そのため、売却のポイントを知っておかなければ、売れるどころか大きな損失を招いてしまう恐れもあります。

反対に言うと、売るためのポイントさえきちんとおさえれば、比較的スムーズに売却することが可能です。では、この売るためのポイントとは、一体どんな点なのでしょうか。

まずは、事故物件を売るために必要な基礎知識から学んでいきましょう。

事故物件を安全に売るために必要な3つのポイント

まずは、事故物件を安全に売るためのポイントから、学んでいきしょう。

事故物件売買は「心理的瑕疵」「契約不適合責任」「告知義務」という3つのポイントをおさえておかなければいけません。この3つは売買契約後に買主から損害賠償請求されないために、知っておかなければいけない重要なことです。

・心理的瑕疵
・契約不適合責任
・告知義務

それでは、上記の3点について詳しく解説していきます。

ポイント1.心理的瑕疵:事故物件になるかどうかは買い手のイメージ次第

瑕疵とは、欠陥や傷のこと。そして、心理的瑕疵(しんりてきかし)とは、買主が心理的抵抗を強く感じる物件のことです。

心理的物件に該当するのは、以下のようなケース

死が関与するケース 死が関与しないケース
・自殺
・事故死
・他殺
・孤独死
・近隣にゴミ処理場がある
・近隣に刑務所がある
・風俗街が近くにある
・近所に暴力団員が住んでいる

心理的瑕疵に該当するのは、必ずしも死が関係しているとは限りません。近所に、ゴミ処理場や風俗街、刑務所や暴力団員の住まいのような、買主に嫌悪を感じさせる施設があった場合にも心理的瑕疵物件に該当してしまいます。

しかし、心理的瑕疵に明確なボーダーラインは存在しません。上記の例は、あくまで心理的瑕疵物件に該当してしまう可能性のある物件です。上記のようなケースに該当していても、買主によっては「全く気にしない」と感じる人もいます。

つまりは、心理的瑕疵は買主のイメージ次第。買主が納得して購入できれば、心理的瑕疵物件に該当しにくいということです。

ポイント2.契約不適合責任:売却後も注意すべき売主責任

契約不適合責任とは、売主が負うべき責任のひとつ取引した物件に「瑕疵(欠陥や傷)」があった場合に、売主は買主に対して以下のような責任を負います

・損害賠償
・契約解除

例えば、売主が事故物件であることを隠して、家を売ったとしましょう。売買契約後に買主が事故物件であることを知り、嫌悪感を抱き不満を持った場合、買主は売主に対し損害賠償を請求することができてしまうのです。また、「この家に住みたくない」と思わせてしまった場合、この売買契約を解除されてしまう恐れもあります。

契約不適合責任には「買主がその事実を知ったときから1年以内に通知する必要がある」という期限と条件が設けられています。この期限は意外と長く、例えば売買契約から3年後に事故物件であると知った場合、そこから1年以内に「損害賠償を払え」と言われた場合、売主は責任を負わなければいけません。

ポイント3.告知義務:事故内容に限らず行うべし

契約不適合責任の負担を軽くするために必要なのが、告知義務です。

告知とは、ありのままの状態を買主に報告すること。つまり告知義務とは、売買契約前に、自殺や事故、他殺などがあったことを買主に話す義務のことです。実は、この告知義務は強制ではありません。あくまで「義務」ですので、例え事故物件であっても必ずしも買主に告知する必要はないのです。

しかし、ここで問題になってくるのが、前述した契約不適合責任。告知をせずに契約を進めても、買主が後日事故物件であることを知り、嫌悪を感じた場合、損害賠償請求される恐れがあります。嫌悪感を抱かせないためには、契約前に告知し「納得して購入してもらう」ことが重要となります。

このことから、例え義務であっても告知は必ず行っておいた方が、売主の損失を最小限に抑えることができます。事故物件を抱えていると「買主に話さない方が売れるのではないか」と考えてしまうと思いますが、この告知義務は売主を守るための盾の役割も果たします。物件の状態をありのまま買主に伝えることが、契約不適合責任を回避する打開策となるのです。

事故物件を売却するときの注意点と対策

しかしながら、上記の3点をおさえたところで、スムーズに売れるとは限りません。なぜならば、前述したポイントはあくまで売主のリスク回避策。売主のリスクを軽減させても、売れやすくなったとは言い難いのです。

事故物件を売るきは、以下のような問題点にぶつかることがあります。では、事故物件が持つ問題点を解決するためには、どのような対策を講じればいいのでしょうか。そこで、事故物件を売却するときの注意点と対策をご紹介します。

事故物件の売却相場は最大で5割減

一般的に、事故物件売却の相場は通常価格の1~5割ほど。そして、事故の内容によってもこの相場は大きく変動します。自然死の場合は相場の1割程度、そして自殺や殺人など強い嫌悪感を抱きやすい事故死は、相場が5割ほど下がってしまうケースも。

しかし、事故物件だからといって、必ずしも売却相場が安くなるとは限りません。不動産の価値は、築年数や立地条件によって相場が変動するもの。さらには購入希望者の中には、心理的嫌悪感を抱かない人や事故物件を気にしない人もいます。

物件の魅力を最大限にアピールできれば、さほど相場を下げずに売却することも可能です。

無計画な修繕で売却完了前に資金が尽きないよう注意

事故物件を売却するとき、多額の資金が必要となるケースもあります。

死亡してから発見まで時間がかかり、血痕や体液の付着により物件が酷く傷んでしまったため、売却前に特殊清掃やリフォーム、解体を必要とする物件も存在します。

内容 費用相場
ハウスクリーニング(1部屋) 2万円程度
特殊清掃(1部屋) 3万~8万円程度
リフォーム(床貼り替えなど) 9万~18万円程度
解体(30坪) 90万~150万円程度

特殊清掃やリフォームは、ハウスクリーニングに比べ費用が倍以上かかります。解体に至っては、100万円以上の費用を要するため、売却完了前に資金が尽きてしまうケースも少なくありません。さらには、多額の資金を投入しても、購入希望者が現れないという可能性もあります。

すぐにでも処分してしまいたいと先走る人は、決して少なくありません。しかし、売却資金が少ないときに、安易に手を加えてしまうのは危険です。現状引き渡しが可能な売却方法も存在しますので、元手が不足しているときは、早めに事故物件の取り扱いに長けている業者に売却相談しておきましょう

事故内容によっては50年経過しても時効にはならない

法律には、時効という考え方があります。時間の経過とともに権利がなくなったり取得できたりすることを、時効と言います。

一般的に、被害を知ったときから5年程度経過すると時効が成立し、権利が消滅します。一昔前には「5年以上経過すれば、告知しなくてもいい」「事件後に名義を変えれば事故物件ではなくなる」と判断する人もみられましたが、実際のところはどうなのでしょうか。

過去の判例を見ると、事故物件を売却してから50年後に損害賠償請求されたケースも存在します。

  内容 結果
平成28年7月29日 売主が約7年前に強盗殺人事件があったことを告知しなかったため、買主が不法行為にあたるとして売主に対して損害賠償を請求した 売主が買主に対して売買代金の5%を支払った

 

平成22年3月8日 3年前土地上にあった建物内で焼死者が発生したことを告知せず売却したため、買主が売主に対し損害賠償を請求した 売主が買主に対して売買代金の1%を支払った

 

平成12年8月31日 50年前に殺人事件が発生した農村地帯を告知せずに売却したため、買主が損害賠償を請求した 売主が買主に対して売買代金を支払った

 

参照:一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | RETIO判例検索システム

上記の表をみると、事件発生から50年が経過しても、損害賠償を請求される可能性があることがわかります。しかし、いずれも告知義務を怠ったために発生しているという共通点も。

損害賠償を請求されないために、事故から何年経過していようと、告知義務をきちんと行い売主のリスク回避に繋げましょう

事故物件をスムーズに売却する5つのポイント

ここまで、紹介してきた事故物件の問題点と対策をまとめると、事故物件をスムーズに売却するためのポイントは、以下のようになります

・売却資金がある場合は特殊清掃やリフォームをかける
・相場より値引きして売却する
・更地にして土地だけを売却する
・不動産会社などに買取で売却する
・事故物件を専門に取り扱う不動産会社を利用する

それでは最後に、上記のポイントについて、それぞれ詳しくみていきましょう。

売却資金がある場合は特殊清掃やリフォームをかける

事故物件から、できるだけ心理的嫌悪感要素を取り除けば、売却しやすくなります。売却資金がある場合は、リフォームや特殊清掃など、事故のイメージを軽くする方法も有効です。

遺体の損傷がさほど酷くない場合には、ハウスクリーニングがおすすめ。ハウスクリーニングでは、遺体があった部屋の消臭処理のみならず、壁のクロスや畳の交換、フローリングの貼り替えなどを行い、事故現場の状況を一新させましょう。

もし、自殺や他殺、発見が遅くなった孤独死などの場合は、特殊清掃が必要となることがほとんどです。多少費用は高くなりますが、ハウスクリーニングでは処理できない体液の汚染処理や遺体から発生した害虫駆除、特殊な消臭処理を依頼できます。

他にも、凄惨な事故現場で清掃だけでは悪印象が拭えない場合には、フルリフォームする方法もあります。フルリフォームは、特殊清掃よりも費用が高いため、最終手段と考えておくべき方法ですが「告知されなければ事故物件とは見分けがつかない」という段階まで、イメージを一新させることが可能です。

相場価格より値引きして売却する

早めに処分したいときは、相場よりさらに値引きして売却するのもひとつの手。購入希望者の中には「安いなら事故物件でも構わない」と考える人もいます。売却金の多さよりも、スピーディな売却を望むのであれば、安さを売りにした広告を打ち出してみましょう。

ただし、事故物件であっても立地条件が良い場合は、さほど値を下げずに売却することも可能です。例えば、駅やバス停が近く利便性が高い場所や学校や病院など生活に便利な施設が近くにある場合は、事故物件であっても人気が高い傾向にあります。購入希望者が現れたら物件の魅力を伝えられるよう、アピールポイントを探しておきましょう。

更地にして土地だけを売却する

事故物件を取り壊し、更地にして売却する方法も有効です。更地にすれば、事故のイメージを連想しにくくなるため、前向きに購入したいと検討する人も出てくる可能性が高くなります。また、更地にすることで駐車場やコインランドリーなど、用途や二ーズも広がります。自殺や他殺など事故の印象が悪いときは、解体してイメージを一新させるのも悪くありません。

更地にするときには、固定資産税の増税や再建築不可という問題にぶつかることがあります。解体費を支払ってもなお、増税や法の規制を受けることは、売主にとってリスクでしかありませんので、必ず解体前に不動産業者に相談するようにしましょう。

また、事故物件を取り壊し更地にしても、告知義務はなくなりません心理的瑕疵はどういった場面で発生するかわかりませんので、リスク回避のためにも告知義務は忘れずに行いましょう

不動産会社などに買取で売却する

買取とは、不動産会社に買主になってもらう売却方法です。

買取のメリットは、現状のまま買い取ってもらえるという点。そのため、特殊清掃やリフォーム費用をかけずとも、そのままの状態で事故物件を処分できます。また、売却手続きが早いという点も大きな魅力。早くて数日で買取手続きが終了するため、1日でも早く処分したい場合におすすめです。

一方で、買取のデメリットは、売却相場が非常に安くなるという点です。ただでさえ、相場が安い事故物件ですが、買取することでさらに値引きされる可能性もありますので、売却金の多さよりも、売却スピードを優先したい場合におすすめの方法となります。

事故物件を専門に取り扱う不動産会社を利用する

不動産会社には、会社ごとの特徴があります。事故物件の取扱いに慣れている業者もいれば、逆に事故物件の取扱いを苦手とする会社もあります。

そのため、事故物件を専門に取り扱う不動産会社に依頼するとよいです。

事故物件を専門に取り扱う不動産会社に依頼すれば、そのままの状態でも買い取ってもらえますし、売却前の修繕や解体についてもまるごと相談可能です。

売却を考えている段階から、まずは相談してみることをおすすめします。

まとめ

事故物件を売却するポイントをまとめます

・事故物件に認定されるかは買主のイメージ次第
・売却後も売主には責任がつきまとう
・告知は売主のリスク回避策のひとつ

事故物件売却の難しいところは、相場の安さや売りにくさではなく、売却後にも売主責任がつきまとう点です。しかし、ポイントをおさえることができれば、スムーズに売却することが可能です。

まずは、売却のパートナーとして、事故物件の取り扱い実績がある不動産会社選びからはじめましょう。状況によっては、想像よりもスムーズにお悩みを解決できるケースも、決して少なくありません。ご家族だけで悩まず、1日でも早く悩みから解放されるよう、まずは専門家にご相談ください。

事故物件の売却時によくある質問

事故物件を売るときに重要なことは?

事故物件を売買するときは「心理的瑕疵」「契約不適合責任」「告知義務」という3つのポイントをおさえることが重要です。とくに、告知義務を怠ると損害賠償を請求される恐れもあるので注意しましょう。

事故物件の相場価格を知りたい!

事故物件を売却する際の相場は、通常価格の1~5割ほど値下がりします。しかし「事故物件は必ず安くなる」わけではありません。物件の魅力を最大限にアピールできれば、価格を下げずに売却できるでしょう。

告知義務は事故から何年経てばなくなる?

「告知義務は〇〇年である」といった法律や条例はありません。告知すべき期間はケースバイケースだといえます。なお、過去には「50年前に起きた事件」でも告知義務があるとされた判例もあります。

事故物件をスムーズに売却する方法を知りたい!

「特殊清掃やリフォームを実施する」「相場価格より値引きする」「解体し更地として売却する」といった方法であれば、事故物件でも早く売れます。ただし、修繕や解体には費用もかかるため注意しましょう。

事故物件を手間なく売却する方法はないの?

事故物件を専門に取り扱う不動産会社に相談するとよいです。そのままの状態でも買い取ってもらえますし、売却前の修繕や解体についてもまるごと相談可能です。

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